◆PLC |
PLCとは
PLCとは、「Power Line Communication」の略で、電力線を通信回線としてデータ通信を行う技術です。電気コンセントにPLCモデムを設置するだけで、数Mbps〜数百Mbpsのデータ通信を行うことができます。
電気配線は、建物の中に張り巡らされているので、新たにケーブルを引き回す必要がありません。PLCでは、既存の電気配線網を利用できるため、手軽にネットワークの構築を行うことができます。
電気配線を通信回路として利用する技術自体は、そんなに新しい技術ではありません。技術があっても規制が厳しく製品化できない事情がありました。それは、電気配線から漏れる漏洩電波がアマチュア無線などに影響があると指摘されていたからです。
しかし、総務省が規制を2006年12月に緩和したことで、今では、様々な製品が実用化され発売されています。
※電波法により、製品の使用は「屋内」に限定されています。
PLCは、PLCアダプタを電気コンセントに差し込んで利用できることから、家庭においてネットワークを構築する場合に便利です。手軽にホームネットワークを構築する手段として、今までは、無線LANという選択肢がありましたが、PLCという選択肢が追加されることになります。
今まで無線LANでネットワークを構築すると、家の隅々まで電波が届きにくく、利用しづらい面がありましたが、無線LANも電波の出力がハイパワーの製品がでたり、IEEE802.11nの登場で、高速でより電波の受信感度が良くなり問題点も改善されつつあります。
しかし、無線LANは、接続設定や、暗号設定が難しかったり、コンクリートの壁や遮蔽物があるとまだ届きにくい現状もあります。また、電波の漏れが宅外にも広がるのでセキュリティに心配も残ります。
そういった面を考えるとPLCは重宝するかもしれません。
PLCの構成
PLCを利用したネットワークは、マスターアダプターとターミナルアダプターで構成されます。マスターアダプターが親機に該当し、ターミナルアダプターが子機に該当するとイメージすると分かりやすいかもしれません。
ターミナルアダプタを使用するには、マスターアダプターに登録する必要があります。
下のネットワーク構成図は、PLCを用いたホームネットワークのイメージ図です。
マスターアダプターにターミナルアダプターをぶら下げるイメージになります。
PLCネットワークは、電気配線を通信回線として利用できます。電気配線をツイストペアケーブルに置き換えてとらえると、スイッチングハブ(ハブも含む)を用いカスケード接続したネットワークと同等なネットワークを構築することができます。
電源プラグを電気コンセントに差し込むだけで、無線LANでは、電波が届きにくく無線通信が困難だった場所やケーブルの配線が困難な場所でもデータ通信が可能になります。イーサネットケーブルの配線工事が必要ないという手軽さがPLCの魅力です。
家のどの部屋にも通常、電源コンセントがあります。つまり、PLCを用いることで、家中の隅々まで簡単にネットワークを構築することができるのです。
また、PLCでは、無線アクセスポイントのような難しい設定作業もほとんどありません。製品によっては、初期設定が既にされており、そのまま直ぐに利用できる製品もあります。
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